市街地に野生の鹿が人と共存している場所は奈良以外にはない。そのため、大変親しまれている。ビニール製の車輪付き人形や鹿の角カチューシャなどが土産物として売られている。明石家さんまが歌謡曲「奈良の春日野」に「鹿のフン」の踊りをしてヒットして「鹿のふん」というお菓子も土産に加わったこともある。

鹿へ愛玩用に食べさせる鹿せんべいが、売られていて貼付の証紙が奈良の鹿愛護会の財源の一つとなっている。主食は芝で、せんべいはおやつである。せんべいを持っていると奈良の鹿はおじぎする。しかし、いつまでも食べさせないと怒ったシカに噛まれたりすることがある。奈良の鹿愛護会では、24時間体制で鹿の救助・救出をおこなっている[12]。奈良の鹿愛護会では、江戸時代に始まった鹿の角切りを継続させ開催している。

1954年(昭和29年)8月20日に生まれた頭の中央に冠状に白い毛が生えた鹿の白ちゃんが有名だった。白ちゃんは奈良国立博物館敷地とその周辺をテリトリーにしていたが、9歳の時に一度だけ出産した子供が車に轢かれて死に、それ以後白ちゃんは、怒りを表し車に突進していくようになった。それを心配した近所の人たちが奈良の鹿愛護会に相談し、白ちゃんの思う通りにさせるため、1台1台車を止めて、「この先で鹿が飛び出してくるので注意してほしい」と運転者に依頼した[13]が、1週間で突進を止めた。しかし、1972年(昭和47年)白ちゃん自身も交通事故で死んだ[14]。2002年ごろには実際に白鹿も誕生した。

鹿の角きりで切られた角は、加工業者に売却され、過去には帯留め・箸などの生活用具や、置物等の鹿角細工にされ、奈良土産で人気があったが、職人の減少で衰退。最近は、軸に角を使った高級筆ペンや角キャップの高級万年筆、持ち手に使用のステッキなど新たな使用方法で奈良らしさや高級品の象徴となっている[15]